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デジタル技術社会における当社の経営ビジョン

 現在のデジタル技術の発展において、当社ならびに当社を取り巻く経営環境は著しく変化しています。当社にあっては、人口減少というマクロ的な社会環境において、常に人員不足という課題が挙げられます。その中で、いかに、現在の人員で生産性の向上を図り、かつ、長く勤めてもらうために従業員満足度を向上させるかが、当社が地域の中で長きにわたり発展するための戦略と考えます。この地域の中で当社が発展し続けるためには、現在のデジタル技術は欠かせない存在といえます。

 同時に、当社を取り巻く経営環境にあっては、原材料費が高騰する中で、お客様からはさらなる品質の向上と短納期化といったご要望が増しており、このようなニーズに応えるためにも、デジタル技術は欠かせない存在となっています。

 このような中で当社でも数年前からデジタル製造技術の導入を進めており、製造工程の見える化による従業員の作業負担の軽減とモチベーションの向上により、従業員の満足度向上と定着率の向上を図り、かつ、生産管理のシステム化による品質の向上、コスト削減、顧客対応力の向上を図り、一定の成果を上げています。

 そして、2021年に60周年を迎えた当社は経営ビジョンとして「お客様に新たな価値を創造し続ける存在であり続ける」ことを掲げました。また、経営ビジョンを実現させるためのDXビジョンとして「デジタル技術の製造現場への導入を加速させ、お客様に新たな価値を創造し続ける」ことを掲げました。これは、単に既成の新しいデジタル技術を導入するというものではなく、当社の製造における生の現場を、経営陣から現場作業員までが常に直視し、課題を洗い出し、当社の製造現場における課題解決に最適なデジタル技術は何なのかを考えることを、全社一丸となって取り組み、お客様の価値を創造するということを意味しています。

 当社は地場製造業のデジタル製造技術をリードする存在であり続け、豊前市の中小製造業の地位向上とブランドの確立を目指していきたいと考えます。

 

                          株式会社豊前工業所

                          代表取締役 井上康憲

                          専務取締役 DX推進責任者 井上慶一

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当社のDX戦略

当社は次の8つの柱からなるDX戦略を策定し、DXビジョンを実現させ、お客様への新たな価値の創造を目指します

 

  • デジタル技術による製造工程の見える化

  • 自社の生産工程のリアルタイム把握とお客様からの問い合わせへのスピード化

  • 不良品率の低減による品質の向上

  • お客様のニーズに合った製品を高品質・短納期で製造する

  • 徹底した工数管理と原材料管理による価格競争力の強化

  • デジタル化による作業量低減による作業者のモチベーションの向上

  • 人員の定着率の向上による技術の流出の防止と技術の継承

  • 人員の改善案の吸い上げと改善案の実現による奨励

 

また、上記の取組は、当社代表取締役の井上康憲の責任の下、当社専務取締役でDX推進責任者の井上慶一が遂行統括を行い、経営陣から現場作業員まで一人ひとりが実践していきます。

 

 

 

当社のデータ活用方法

当社の生産管理におけるデータ活用は、「現場に基づきデータを活用する」を基本方針としています。生産現場である工場には8台のiPadを設置しています。また、生産のための図面、納期、コスト等の初期データを入力し、各工程を担う作業員は、作業の図面や進捗状況をiPadでリアルタイムで確認し、作業を実施し、作業結果をiPadに入力し、次の工程に引き継ぎます。このように受注業務と製造工程をデータでつなぐことで、コスト管理・生産管理・品質管理に役立てています。

 

 

体制

今後、当社は、専務取締役である井上慶一をDX事業責任者とした、DX推進部門を整備します。本部門では3次元CADを中心としたデジタル設計と社内デジタル化による改善活動とデザイン設計を統合した新たな価値を創造するための全社DXを担います。また、デジタル人材については、まず、当社の主力業務である製造現場に基づいたデジタル設計人材の育成と確保に注力します。その後、社内システムやネットワーク等の情報システム管理を担えるよう育成し、さらにその先に、当社の新製品であるアウトドア・インテリア製品等のデザイン設計まで担える部隊を目指していきます。

当部門の人材については、1年後1名、2年後2名を採用する予定です。採用方法としてはこれまで主にハローワークによる募集のみでしたが、近隣の大学への募集も開始し、優秀な理系人材の確保にも注力します。

 

 

ITを駆使し経営を向上させるための環境

今後、当社では継続的なデジタル化による業務改善を行うため、継続的にIT予算を計上し、積極的なIT投資を行います。予算規模は売上に対して1%を予算目安とします。IT投資に関しては、1.経理・労務関連のソフトウェア費、2.PCやタブレット端末(iPad)のハードウェア費、3.製造現場の業務改善のための生産管理システム維持・構築費、の3つの柱で積極的な投資を行います。

 

 

 

目標

当社では生産管理システムの導入を機に、生産現場の見える化が実願されたため、製品の品質が向上し、不良品率が大幅に低下しました。また、製品における工程ごとの工数と採算もリアルタイムで確認できるためコスト削減にも貢献しています。また、工場全体における作業案件の中で、自分が担当する作業の案件がどのように進んでいるのかといった進捗状況もシステムにより見える化されたため、作業員の担当案件が工場全体でどのように貢献しているのかということが、タブレットからも見ることができるため、モチベーションの向上にもつながっています。このようなことから、当社では、①工場全体の不良品率、②製品ごとの採算、③従業員の定着率、の3つの指標をDX戦略のためのKPIと位置づけ、定期的なモニタリングを行っています。

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